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サンパウロ州=206億Rの不況対策案=公共事業や零細企業融資へ

ニッケイ新聞 2009年2月14日付け

 セーラサンパウロ州知事(PSDB=民主社会党)は十二日、サンパウロ州を襲った国際金融危機の影響軽減のため、十七項目からなる対策案を発表と十三日付けエスタード紙が報じた。同案は、〇九年度の税収二百六億レアルを当て込んだ特殊分野への投資と中小企業融資への予算投入だ。
 米発金融危機の第二波、第三波はサンパウロ州だけの力で防げるものではないが、サンパウロ州は最大の防波堤でありブラジル産業のけん引車と見られている。雇用創出もサンパウロ州が、全国に先駆けるだろうとセーラ知事は述べた。
 「世界は今、未曾有の経済混乱にある。そのために統制管理を打ち出したケインズ理論や恐慌から米国をリードしたルーズベルト大統領に倣え」と訴えた。対策案は、アウキミン開発局長官が詳細を説明した。
 サンパウロ州は〇八年、工業部門で七千人を解雇。連邦政府は十一日、PSDBとDEM(民主運動党)のサンパウロ州政府が、何ら対策を講じていないと非難した。州の財布は連邦政府に握られており、不況対策は誰の責任なのか分からない。サンパウロ州知事は、通貨政策と政策金利について批判しなかった。政府の経済政策へ言及を避け、サンパウロ州の問題だけに止めた。
 予算は二百六億レアル。大部分は州道の五十億、上下水道の二十五億、地下鉄と郊外線の四十二億など。これで八十五万八千人の雇用を創出。〇八年は百五十億レアルを投じて六十三万人の雇用を創出した。
 発表された対策の中には、先の項目のほかに、小中学校の修築や警察施設の修復がある。不況対策といっても州民全員が恩恵に浴するものではないが、ブラジルの発展に合流し数々の余禄をもたらす性質のものという。
 不況対策案は、特に零細小企業を意識して創案された。その一つが融資を申請するとき、求められるFDA(州政府保証基金)の裏書証書を免除した。それからME(零細小企業)向け融資が設けられ、利子の一部を州が負担する。