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在外ブラジル人に失業保険を=ウー連邦下議が提案

ニッケイ新聞 2009年2月17日付け

 国外に居住するブラジル人が帰伯した場合、一定の条件を満たしていれば失業保険の支給を受けられるとする提案が連邦議会に提出されている。同提案(PL-4609/2009)の提案者はウィリアン・ウー下議。伯日議員連盟メンバーでもある同議員による提案は、経済危機の影響で大量帰伯が予想されている在日ブラジル人の支援にもつながるものだ。
 同提案は、失業保険の受給者資格を規定した一九八六年三月十日付け法令二二八四号第二十六項に、在外ブラジル人に関する規定を挿入したもの。
 国外に二年以上在住し、全期間の三分の二以上母国へ送金しているか、または滞在期間中の受け取り側の全収入の半分を送金している人は、ブラジル国内の失業者と同等の失業保険を受給する権利が認められると規定している。
 失業保険を支給することは母国送金に対する責任であると明記。米国、日本、ポルトガルなどからの年間五十億ドルにのぼる送金がブラジル経済を助けていると強調する。
 ウー議員は同提案で日本のデカセギを例に挙げ、日本で企業から派遣を打ち切られ、再雇用の見込みがないブラジル人が多数帰伯してくる場合、母国での再就職の見込みもない状態で帰国しなければならないと指摘。失業保険の支給が、帰国ブラジル人の財政的不安定さへの支援になるとしている。
 同提案は今月四日に下院本会議で発表された。今後は労働・管理・公共サービス委員会(CTASP)で審議される予定。