ブラジルが恐慌対処策を示すか=大統領が模範国を自負=「オバマのために祈る」=国内回復兆候を楽観視
ニッケイ新聞 2009年2月20日付け
中央銀行のメイレーレス総裁は十八日、先進国の銀行が未だ財政難にあり先行きの見通しも立たないことで、国際経済はまだ漂流を続けると警告。折角回復の兆候が見えてきたブラジル経済の妨げになる可能性もあると、連立与党の政策評議員会で報告したことを十九日付けエスタード紙が報じた。ブラジルは、米発大恐慌の第一関門を通過と財務省は見る。ルーラ大統領は、ブラジルが世界に先駆け恐慌の対処法を示すと、楽観悲観の両論で花が咲いた。
「米政府は経営難にある銀行へ公的資金を投入するだけでなく、一時国営化するべきだ」とルーラ大統領は発言した。この考えは、彼一人の意見ではないという。グリーン・スパンFRB(米連邦準備制度理事会)前議長やノーベル賞学者のクルグマン博士も同意見を提案した。
オバマ大統領の一挙手一投足を、ルーラ大統領が昼夜心配している。大統領は自分のことよりも、オバマのためにより多くの時間を祈るそうだ。「オバマのために祈る時間の半分を自分のために祈ったら、今ごろ聖人になっている」と冗談めかす。
中銀総裁とマンテガ財務相は、ブラジルが金融危機の衝撃を受けた最悪時と現在の状況比較を行い、経済が回復基調にあることを説明。ブラジルが中国のように、金融危機の影響をまともに受けた国々にばかり輸出していなかったのは不幸中の幸であったとした。
メルカダンテ上議(PT=労働者党)は、官民の全金融機関が資金調達に全身全霊を注いだので現在、六千二百億ドルのクレジットが信用市場に流通、これで九月の水準に戻ったと報告した。
十二月の産業動向から、ブラジルが景気後退に陥る可能性は低いと財務省が見ている。景気後退とは、2四半期連続でGDP(国内総生産)が落ち込むことをいう。
経済活性化のための政策金利の引き下げについて、中銀総裁は「問題は政策金利ではなく、信用コスト(金利)の合計であり、それを縮小するため、金利の申告制度導入を議会へ上程する」という。金融機関から融資を受けるとき、顧客が支払う金利の内訳を公表させる。
一九二九年の恐慌と今回が異なるのは、ブラジルのような新興国の活躍だと大統領が指摘。恐慌はこれまで、先進国が解決してくれると考えていた。今回はブラジルが、恐慌の対処法を示す模範国になると自負する。
これは、三月十七日開催の伯米首脳会談で最大のテーマになると大統領が風呂敷を広げた。先ず恐慌対処法、そして保護貿易がもたらす新たな危機の警告。米国はドアを閉めっ放しで、危機からの脱出口はないと忠告するつもりらしい。