ニッケイ新聞 2009年2月21日付け
その昔―国会はかなり荒れ?「大トラ大臣」なる事件?が起こり、野党はいきり立ち酔っ払い閣僚への批判が高まりもしたが、庶民らは大いに喜んだそうだ。山形の豪農に生まれ東京帝大を卒業して戦後の総選挙に立候補し初当選、昭和23年にワンマン宰相・吉田茂に抜擢され大蔵大臣に就任。と、ここまではいいのだが、泉山三六氏は酒豪で鳴りどうやら女性が好きだったらしい▼この日も泥酔し、事もあろうに婦人代議士・山下春江さんに抱きつきキッスをしょうとしたので議場は混乱し、さすがの剛の者も翌日の23年12月14日に引責辞任し議員も辞職した。なにしろ国会での「醜態?」だからマスコミは騒ぐが、泉山さんは「大トラ」として知名度が高まり、次の参院選で当選し堂々たる政治生活を送っているから大したものであり拍手喝采を送りたいの気もするのだがー▼まあ余り褒められたご乱行ではないけれども、酔漢としてのユーモアがあり赤提灯の常連らに人気が高いのは、当たり前ではないか。と、こんな話を書くのは中川昭一財務相の酔眼?朦朧会見が大騒ぎになり、何とも殺伐とした空気だけが罷り通り、政治家の失言追及などばかりが目立つマスコミへの不満もある。無論、あの無様な格好は許せない▼政策通の逸材ながら、酒癖は余りよくない。本人も「薬の副作用」とし、酒が原因ではないと何回も語っている。ならば記者会見の中止もできたはずだし、こんな程度で挫けずに再起して欲しい。それにしても、中川財務相起用の麻生太郎首相が吉田茂宰相の孫というのも何かの因縁かな。 (遯)