ニッケイ新聞 2009年2月26日付け
汎アマゾニア日伯協会の堤剛太事務局長は、二~三年前にはパリンチンスの有名な祭典「ボイブンバ」でもジュートがテーマにされ、「評価が高いことに驚いた」と振り返る。ジュート栽培の先駆者・尾山良太の像も山車の上に大きく作られていたとか。香川県総務部国際課サイトも「一九三三年、尾山良太の畑から二本だけ優良種が現れた。尾山らは苦労してその種を増やし、ついにはアマゾナス州の最大産業にまでなった。ヨーロッパ移民が成功しなかったアマゾンの開発を日本人移民が成し遂げた」と賞賛する。入植八十周年の今年、サンバでも祝われたのは当然のようだ。
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鳥取県の中堅リーダー事業で来伯した河本さんは、県の派遣で訪伯した人たちで作る「鳥取ブラジル会」の会員でもある。河本さんによれば、同県にはこのほか、民間でブラジルを訪問した人たちによる「友好協会」など全部で四つの関係団体があるという。昨年六月には、それら四団体でつくる「鳥取ブラジル交流団体連絡協議会」の主催による百周年記念イベントも開催されるなど、活発なよう。同県では今年から、従来の留学・研修生に加え短期研修制度も盛り込まれる見通し。こうした活発な人的交流が新たな関係構築につながってほしい。
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学生が運営するNGO団体「アイセック」の代表が現在、ブラジルでの学生研修受け入れ先を探しているが、勿論日本側でも日系子弟の研修が可能。県の留学・研修が打ち切られ、県人会からはため息が漏れているが、助成金に頼らない形での派遣を検討する時期なのでは。行政のありきたりな対応ではなく、アイセックを通すことで若い世代の交流が生まれることも期待できる!?