ニッケイ新聞 2009年2月27日付け
映画監督の卵、飯塚諒さん(23、千葉出身)が今月中旬に来伯し、自主制作映画「靄(もや)の中」(六十分)を三月四日の文協水曜シネマ後、午後三時十五分から特別上映するとして張り切っている。
初監督作品ながら、飯塚さんが早稲田大学在学中に「二〇〇七年早稲田映画まつり」でグランプリに輝いた同作品は、自身が監督だけでなく撮影、脚本、プロデューサーを務めた力作だ。
一九九七年に当時十四歳の少年が起こした神戸連続児童殺傷事件などで、ホラー映画が影響しているといった報道に疑問を感じ、映画を通して真実を探りたかったと話す飯塚さん。「靄の中」は母子家庭の母親殺しを描いている。
昨年九月に卒業し現在、南米の映画商業を見る旅の途中。先週は文協水曜シネマに足を運び、「地球の裏側で日本映画をおじいちゃんおばあちゃんが観ていると知って感動した」と飯塚さん。「僕の作品もぜひ観てもらいたいです」と多くの人の来場を呼びかけている。
飯塚さんは、三月中旬まで滞在し、その後はパラグアイ、ボリビア、ペルーなどを旅して五月に帰国する。
同作品は鑑賞無料(午後一時からの水曜シネマは通常通り有料)。なお暴力、性描写あり。