ニッケイ新聞 2009年2月28日付け
Furnas(中央電力公団)評議員会は二十六日、同公団と原発公団職員の年金六十三億レアルを管理する基金総裁を、PMDB(民主運動党)とロボン鉱動相の推薦者と交代する案を拒否したと二十七日付けエスタード紙が報じた。
同基金の定款では、評議員六人のうち四人の承諾を要する。今回の交代案は一人のみが了承し、最終的にルーラ大統領とロウセフ官房長官も総裁交代に反対した。大統領は、PMDBが同基金を配下に置くことの是非を、官房長官やカブラル・リオ州知事、PT(労働者党)系労組に相談していた。
上下両院の議長席を獲得したPMDBが勢いに乗って、同基金の総裁席と管理基金に手を伸ばすことに大統領府が危機感を募らせたようだ。同基金は動鉱相の管下であるが、同相に許されるのは会計監査だけという。
PMDBは〇七年八月、与党連立の交換に同公団総裁を獲得したが、同基金総裁は貰えなかった。その後PMDBは三回、同基金総裁を狙ったが失敗。同評議員会は、大統領命令をも拒絶できる権限があるようだ。
動鉱相は自分の配下でありながら自由にならない基金を、組織の死角と見ている。同基金の定款六十五条は役員の任期を三年から四年に延長、さらに一期更新を認めた。目的は、投資管理と公団職員の補足社会保障を明白にするためという。
このPMDB敗走劇は、ヴァスコンセーロス上議(PMDB)の爆弾発言による落とし子といえる。基金六十三億レアルに伸ばそうとした手を、政府は押し止めたようだ。
同上議が「PMDBは入札で談合を行い、落札企業と示し合わせてリベートを取る」と告発した。動鉱相はサルネイ上院議長(PMDB)の大番頭で、カリェイロ上議(PMDB)とは一心同体。同基金総裁の後釜に推していたのは、エドアルド・H・ガルシア現財務部長。