ニッケイ新聞 2009年3月3日付け
【共同】不況の影響で通学する子どもが減り、経営に苦しむ無認可のブラジル人学校支援策として、文部科学省は一日、都道府県知事が権限を持つ私立各種学校の認可基準を緩和するよう指導する方針を固めた。公的助成の対象となる認可校に転換を促すのが狙い。
自治体の助成は、設置主体が準学校法人となっていることなどを条件としている例も多く、文科省は法人の認可基準も緩和を求める。
文科省によると、二〇〇七年度時点でブラジル人学校は十二県に八十八校(うち認可四校)。ペルー人学校三校(同一校)も含め、計約一万人が通う。
無認可校は授業料収入に頼るが、昨秋以降の不況で親の失業などによる退学者が相次ぎ、閉鎖された学校もある。
各種学校などの認可基準は、文科省が省令などで示す要件を基に、自治体が独自に規定。同省は敷地や校舎が賃貸でも認めるなどと要件を緩和。しかし、自治体は自己所有や人件費の一年分を運営資金として確保していることなど、国より厳しい基準の場合が多い。
文科省は今後、自前の施設を持っていなかったり、手持ち資金が少ないブラジル人学校でも認可校となれるよう、自治体に働き掛けていく。