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ムーディ格付け=亜国は再起不可か=2010年不払いの可能性

ニッケイ新聞 2009年3月4日付け

 米国のムーディ格付け会社は三月二日、亜政府は税収減と国際的減速経済の影響で輸出が後退し、二〇一〇年に債務の決済に困難を来たしモラトリアム宣言の可能性があることを示唆と三日付けフォーリャ紙が報じた。
 ムーディは亜経済を次のように見ている。亜政府は二〇〇九年、国債決済のために多額の資金を必要とする。金融危機の影響が長引き産業が落ち込むと、キルチネル政権は公共サービスを節約し、債務決済に当てるかの選択を迫られる。
 亜政府は〇九年満期の債務が百八十億ドル、一〇年満期が二百億ドルある。問題は同国で主要財源の一五%を占める農産物を、金融危機によるコモディティ市場の暴落が襲ったことだ。
 農産物からの税収は〇九年一月、昨年同月比二六・七%減。穀物の国際価格は、最高であった六月から四一%も下落した。そのため外貨準備高も落ち込んだ。
 亜経済を支えたのは、〇八年までの中国経済であった。それが〇九年一月で、四一%も後退。そのため基礎収支が著しく悪化し、国債の配当支払のため、政府は中銀の供託金に財源を求めた。
 国際金融からの資金の流れは、千四百四十億ドルの債務決済を延期した二〇〇一年以来、止まっている。それを救ったのは、ベネズエラのチャベス大統領だ。その資金ルートも現在、原油安で滞っている。
 亜政府は〇八年、二〇〇五年に二百億ドルの債務再取引を拒否した投資家にヨリを戻そうとすり寄った。六十七億ドルの借金があるパリー・クラブにも、決済と再融資で突破口を求めた。
 亜国の女性大統領は、金融危機で悪化した金融市場へ、しきりに色目を流している。亜政府がエネルギー部門に投じている補助金を中止すれば、二〇一〇年の債務決済はできる見通しと亜経済関係者は踏んでいる。
 ブエノス・アイレス証券取引所は二日、米AIG危機に始まる世界同時安を受けて七・四一%も暴落した。