ニッケイ新聞 2009年3月5日付け
サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)が二年前から検討していた日伯友好病院のイタケーラ診療所の開設が、具体的に動き始めた。二月二十六日の定例役員会で、建物の改修工事費、六十三万九千百五十六レアルを提示したPires & Toyota社に依頼することで承認した。今月中に改修工事を始め、六月に完成、七月頃に開設予定だという。
同診療所の開設は、二〇〇六年末から計画が進められていたもの。しかし、開所予定地の地主と賃貸契約などの諸条件が折り合わないなど、条件の合う土地が見つからずに頓挫していた。
日系人も多く、人口が集中している同地区を中心に検討していたが、今回適切な土地が見つかり、地主と交渉、契約した。今回の定例役員会での予算承認を受けて、六月の完成を目処に今月にも改修工事に着手する。
予定地は、サンパウロ州東部のイタケーラ区中心地から徒歩五、六分の高台にあり、二階建て診療所の延べ床面積は約五百平米。周りは緑に溢れた閑静な住宅街で、駐車場も車約十五台が停められる。
具志堅茂信事務局長によれば、同地区には大きな医療機関が少なく、十分な利用者が見込まれるため、収益も安定する見通しだという。
八つの診療室に外科、内科、耳鼻咽頭科などクリニカ一般が設けられるほか、レントゲン、超音波、負荷心電図など、ある程度の検査設備を整える。友好病院の専門医師が派遣され、治療程度によっては同病院に患者を紹介する形になる。
援協会員だけでなく、医療保険も受け付ける。内装設備の予算などは未定。菊地義治副会長によれば、リベルダーデに建設中の福祉センター開設と同時期、七月ころに開設する見込みだ。