ニッケイ新聞 2009年3月6日付け
社会の底辺クラスにもマイホームを提供するため政府は四日、「住宅扶助金」制度を立ち上げ、建築コストのほぼ全額を補助する意向を表明と五日付けエスタード紙が報じた。政府の住宅供給計画中、世帯所得が三最低賃金(千三百九十五レアル)以下の家族の場合、毎月のローンは、同制度適用で十五から二十レアル。記事中にローン年数や財源などの詳細は明記されておらず、ルーラ大統領は今後煮つめて三月中に発表する予定だ。住宅購入者は頭金不要。ローン支払のために居住する家の家賃支払が滞るなら、ローンは購入住宅に移転後支払い始めてもよい。
十五レアルの月賦で、我が家が入手できるという夢のような話。十最低賃金までの所得者向けの住宅供給計画だが、政府扶助金の大半は三最賃以下の層に向けられる。
低所得階級への朗報は、一国一城の主になれるだけでなく、入居してから払ってもよいという支払条件。より多くの人が入居することで、建築コストを下げる大統領の考えだ。
経済スタッフの計算では、七百万戸に及ぶ仮住まい居住者の八五%は、世帯所得が三最低賃金までの低所得者層。その大部分は、大都市に集中している。
州知事らはロウセフ官房長官に、住宅扶助金が莫大な金額になり、PAC(経済活性化計画)の負担になることを承知してもらった。頭金なしの住宅販売は、固定価格方式か減価消却方式の二方式になる模様だ。
政府の同プログラムには、地方自治体の協力が不可欠。連邦政府から地方自治体に償還される流通税とサービス税の一部を同プログラムへ出資、連邦カイシャやブラジル銀行へ納入する。同二行は住宅購入者にクレジットを提供する。同二行の他に、民間銀行も同プログラムに参加させる。
不動産部門への公共投資は、不況対策と雇用創出にもなる。さらに消費市場に活力を注げば、国家経済の刺激にもなる。この種の住宅を〇九年に五十万戸、一〇年に五十万戸、計百万戸を建築する計画だ。
予算は政府で捻出、施工は地方自治体。しかし、財務省は自治体の住宅公団へ、資金の振り込みをしないという。工事が進まないのに、予算だけ蒸発して行方不明になるのを防ぐため。
サンパウロ州とミナス州、リオ州、パラナ州の各知事は官房長官と補助金―保証基金―生命保険の鼎システムについて話し合った。途中で支払い条件が満たされなくなった場合、三最低給までの人は三年間、ローン月額の五%を払えば、それ以降は免除されるなどの特典があるとされる。