ニッケイ新聞 2009年3月6日付け
ベネズエラのチャベス大統領は四日、米系多国籍企業のカーギル精米所を接収することを決定と五日付けフォーリャ紙が報じた。同国は、食料配給システムの欠陥とインフレに悩まされていた。
これまで使っていた「国有化」という言葉ではなく、「接収」という言葉を使い、補償については触れなかった。先週は公営化といった。その場合は、公債による決済で現金決済ではない。
精米所が物価凍結令に触れない米ばかりを精米し、市民が常食とする米を不足させたとチャベス大統領が訴えた。大統領は軍隊を送り、強制的に常食米の精米を行った。
さらに三日、精米所は精米の八〇%を常食米とする法令を公布した。カーギルは、インフレが昨年比三一%上昇し、凍結価格が原価を下回るから売れないと訴えた。