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東西南北

ニッケイ新聞 2009年3月6日付け

 一年以上戦列から遠のき、復帰が待たれていたコリンチアンスの怪物ロナウドが四日夜、ゴイアス州で行われた対イトゥンビアーラ戦に初登板。二七分の出場で彼自身のゴールもなかったが、ボール捌きはやはり一流。八日のパルメイラス戦ではゴールをと、ファンの期待は当然膨らむ。
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 車の盗難頻発のブラジルだが、二日の南大河州ポルト・アレグレでの車盗難の最大の被害者は、自分史ともいうべきメダル二〇個を全て失った八歳の柔道家ルッカ・フェルミニオ・フェレイラ・アレグレ君。特待生として奨学金を受け、スポーツ奨励のためにと求められて学校にメダルを持参。帰りは道場に直行し、練習を終えた時、車はメダルごと消えていたという。生まれて初めてメダルを持ち出した日の出来事で、「車は買うことができるが、メダルは息子の歴史そのもの。メダルだけでも返して欲しい」と訴える父親のアデマールさん。しょげ返ったルッカ君の姿が痛々しい。
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 カーニバルが終わり、スーパーの店頭はイースター(パスコア)一色になり始めた。チョコ業界では、恒例の玉子(オーヴォ・デ・パスコア)の生産を五%拡大させる一方、値段は材料費と人件費値上がり分を加味して八%調整。金融危機で解雇や減俸の話が続き、男女の賃金差拡大の報告もあるご時世。家族や友人に配ればちょっとした出費増になるが、ご主人の財布を当てに夫婦で買物のケースも増えるかも。
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 サンパウロ市のIncorで四日、新旧二つの心臓を体内に残すという珍しい心臓移植手術。新しい心臓で体に血を送り出し、肥大した古い心臓には機能の落ちた肺を補助させるためで、六カ月後に古い心臓を取り除くという。