ニッケイ新聞 2009年3月6日付け
【ロンドリーナ】第三十七回パラナ日本語教師合同研修会が、二月二十七、二十八日の両日、ロンドリーナのパラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ=丹フランシスコ多喜男会長)で行われた。州各地から集まった教師五十四人が参加した。
今年はリーガ・アリアンサが主催し、パラナ日本語教育センターとロンドリーナ・モデル校が実施。ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が、参加者の宿泊、交通費の半分を助成した。
一日目は開会式後、サンパウロ大学文学部日本語学科の松原礼子助教授の「ブラジルにおけるこれからの日本語教育」という講義でスタート。世界の中でのブラジルの日本語の動向などから始まって、戦前、戦後、これからの日本語教育について学んだ。
また、昨年度のJICA訪日研修に参加したロンドリーナ・モデル校の菊池アリセ教師と、汎米研修に参加した、マウア日本語学校の伊藤三代子教師が研修報告。次に、アサイ実学園の舘脇未季教師の「遊びながら日本語を学びましょう」という講義では、手作りした教材を紹介するなど、新しい発想を披露し、評判だったようだ。
午後は、JICAシニア・ボランティアの堤高穂教師、上野英樹教師、田辺たまえ教師が講義とワークショップを行った。また沼田信一講師の「移民と日本語教育昔ばなし」は大好評。移民がいかに日本語教育に熱意を持っていたかという話に、参加者は興味津々だったようだ。
第一日目の最後は、パラナ日本語教育センターがブラジル日本移民百周年を記念して編纂した、「パラナ州日本語教育の現状とパラナ教育連合会五十周年誌~続・ひとすじの道~」発刊式を行った。
第二日目は、松原助教授の講義「教授法」に続き、クリチーバ・モデル校の角敏子教師、マリンガ日本語学校の戸田実紀教師、マリアルバ日本語学校の吉村圭子JICA青年ボランテイアの実践発表があり、参加者の参考に資するところが大きかった。
また、森岡春子・元ロンドリーナ大学教授のレクリエーション、斉木直美教師の手作りカードの講義に参加者は喜んでいた。
最後は、各自が持っている問題をグループに分かれて一時間討議したが、時間が足りなかったという声が聞かれるほど、充実していたようだ。
研修の閉会式では、リーガ・アリアンサから研修参加者全員に「終了証書」と移民百周年パラナ州式典のCDと記念品が贈られて無事に終了。参加者の九七%が「実に有意義な良い研修会だった」とアンケートに回答した結果を見ても、成功裡に終わったことが分かる。(白戸和子さん通信)