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パロッシ下議=サンパウロ州知事に出馬か=大統領がサンパウロ州PTてこ入れ

ニッケイ新聞 2009年3月10日付け

 ルーラ大統領は六日、前財務相のパロッシ下議を二〇一〇年のサンパウロ州知事選に出馬させ、PT(労働者党)と大統領府側近は全員支援するように通告したことを七日付けエスタード紙が報じた。
 同下議は現在、別荘管理人の銀行口座に対する守秘義務を侵害したことで、最高裁の被告の座にある。同裁判で同下議が無罪放免になると踏んでの州知事候補だ。大統領は同訴訟を刑事犯罪ではなく、規定に関する民事訴訟だと見ている。
 セーラサンパウロ州知事の後任としてパロッシ下議は適任だし、PTサンパウロ州勢の重鎮らをまとめる実力があると大統領は見ている。同下議は中流階級やサンパウロ州財界人と対話ができるし、同時に庶民階級にも信用がある。
 ルーラ大統領が政権を獲得したとき、前財務相がブラジル経済を堅実路線に乗せ国際信用を得たことで、その実力は証明済みとPTは見ている。
 しかし、サンパウロ州知事選は激戦が予想され、銀行守秘の侵害とリベイロン・プレット市役所時代の水増し伝票、ゴミ回収業者のリベート事件から解放されて当選すれば、同下議奇跡の復活といえる。
 パロッシ下議に関する調査では色々あるが、最終的には自分の力で急場を抜け出さねばならない。最高裁の審理に第三者が口をはさむのは、最高裁判決に圧力をかけると誤解されるのでよくない。判決を待つとチャンスを逸するので、強引な賭けといえそうだ。
 大統領の指示で動いているのはメルカダンテ上議(PT)であるが、一切コメントを避けている。パロッシ候補の演台に、ルーラ大統領も一緒に並ぶのか。単なるPTサンパウロ州支部のまとめ役なのか。疑問は多い。
 前財務相の守秘侵害は政府の職員によって行われ、財務相が責任を負わされ、任を失った。告発した管理人は野党の差し金だと供述したが、証拠がないので証言は無効とされた。