ニッケイ新聞 2009年3月10日付け
カーニバルが過ぎても暑い日の続くサンパウロ。一家にエアコンが三、四台は当たり前、夏場は過剰冷房で膝掛けとカーディガンが手放せないという日本から来たオーリャ子にとって、こんなにも汗をかいた夏は久々のような気がする。
一日中机に向かっているだけでも暑さで、頭がボーッとしてくるのに、炎天下の中、物乞いの子供が長袖を着て道端に座っているのを見るのは何ともいたたまれない。
しかし一日が終わり、帰りの満員電車で揉まれ、自分のとも他人のとも分からない汗を帰宅後流す瞬間は格別で、電車が空いている時などは、夜風に吹かれ暗がりの中を帰るのもなかなか風流で、俳句の一つでもひねりたくなるものだ。
週末は大量のペットボトルと洗濯物に悪戦苦闘しながらも、なるだけ自然に則した生活を営み続けたいものだと思った。 (綾)