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浜松総領事館、来月開設へ=静岡県=ブラジル人ら「朗報」=デカセギ支援に期待

ニッケイ新聞 2009年3月12日付け

 【静岡新聞】浜松市に総領事館の開設準備を進めてきたブラジル政府は六日までに、同市中区元城町の同市役所前の民間ビル「元城町共同ビル」に在浜松ブラジル総領事館を開設する方針を決めた。県内初の外国総領事館で、四月上旬の業務開始を目指している。
 既にテナント側と賃貸条件で合意、三月中旬にも契約を済ませ、正式に発表する。総領事館は、同ビルの一階と上層階の二フロア約六百平方メートルに入居する。
 ルイス・セルジオ・ガマ・フィゲイラ総領事(68)=前フィンランド大使=は二月末に着任。開設責任者ジョアン・ペドロ・コスタ参事官(51)は場所や人員が固まったことから六日までに帰国した。
 同国政府は在日ブラジル人の雇用情勢の悪化を受けて、開設時期を六月から前倒しする意向を示していた。一月中旬からJR浜松駅南口の浜松市多文化共生センターに仮事務所を設け、開設場所の選定を進めていた。
 地元職員募集では、募集枠の約六十倍の四百七十二人が殺到する事態になった。既に地元職員八人の採用は決定。外交官らを含めて十五人体制で開設し、将来的には増員する方針。
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 【静岡新聞】在浜松ブラジル総領事館の設置場所が浜松市中区元城町の市役所前の民間ビルに開設される見通しとなった六日、同市に住むブラジル人ら関係者の間では「厳しい経済環境下で朗報」などと期待感が高まった。政令市、国際都市としての地位向上を念頭に「浜松の活性化につながる」との声も上がった。
 同領事館の場所をめぐっては、ブラジル政府が市役所やJR浜松駅前の複数のビルを中心に選定作業を進めたが、ビル管理者と条件面で折り合わずに難航していた。それだけに、二月に発足した日伯交流協会副会長で日系ブラジル人の児玉哲義さん(43)は「場所がやっと決まり、ほっとした」と安堵(あんど)した様子で、「世界から浜松が注目される」と一層の国際化に期待感を示した。
 市多文化共生センターで日本語教室を受講していた同市東区のイトウ・ローゼ・メイリーさん(49)は「手続きで名古屋に行く必要がなくなり便利になる」と喜び、総領事館の活動としてブラジル人の若者の教育問題への取り組みを望んだ。
 開設に向けて支援してきた同市は「一日も早い開設を期待し、在住ブラジル人の生活や教育など緊急課題について連携していきたい」と強調した。