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中古タイヤ輸入=最高裁が審理中断=底辺層に恵みをもたらす

ニッケイ新聞 2009年3月13日付け

 最高裁は十一日、EUからの中古タイヤと再生タイヤの輸入を違法とみなし禁じる意向だったが、再考することにしたと十二日付けエスタード紙が報じた。中古タイヤの輸入可否は十一日、判決予定であったが、エロス・グロウ判事の再考要請で中断した。
 中古タイヤの輸入がもたらす利点を主張する業者の言い分が、最高裁の関心を引いたからだ。最高裁判事が、知ることのない市井の生きる知恵を考慮する必要がある。
 国内に流通する三十億個のタイヤが、健康と環境問題の反面で、底辺の人々に多くの恵みをもたらす。輸入中古タイヤの中には、ほぼ新品のタイヤがあり、それの売買を生業とする人がいる。
 トラックの補助タイヤには、輸入中古タイヤを使う。古タイヤの価格は格段に安く、低所得層を経済的に助ける。古タイヤの再生というビジネスと雇用創出もある。僅かな資本で古タイヤのリサイクルができる。
 しかし、最高裁判断では利点より弊害が大きいと見ている。歴代の大統領は五人とも、中古タイヤの輸入禁止を考えていた。中古タイヤの審理中、古タイヤによるデング熱やマラリア、黄熱病の弊害が指摘された。
 例外としてメルコスルから再生タイヤを年間、十三万個まで輸入を許可する案が出ているが、これまでEUから一千万個を輸入していたのから見ると激減だ。