ニッケイ新聞 2009年3月17日付け
日本に連絡をしようとも困難だった一昔前、幼い子供を抱えて外出するのもままならず、日本に手紙一つを出すのも苦労したという花嫁移民や、日本に手紙なんか送ったこともないと開き直っている老人もいて、それはそれで胸を打たれる。
現在、日本に家族がデカセギに行っているという人の中には、毎日のようにインターネットなどで連絡をとるのも珍しくなく、何をそんなに話すのだろうと不思議なものだが、家族の絆には感心させられる。
一方、オーリャ子がたまに近況が気になって、宮崎の母に電話を入れると「ああ、元気?」と拍子抜けしてしまうくらいにあっけらかんとしたもので、「今忙しい」と取り次いでくれないこともしばしばあるくらいだ。
技術的な面も家族関係も、移民船時代に考えもしなかった世の中になっているのではないかと思った。 (綾)