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ブラジル農業を体で知る=東京農大から研修生4人=「これからも続けたい」

ニッケイ新聞 2009年3月18日付け

 東京農業大学の国際食料情報学部国際農業開発学科から学生四人が来伯中だ。一カ月の研修を終えて二十日に帰国するにあたり、同学科地域農業開発研究室の堀内久太郎教授、三簾久夫准教授、ブラジル東京農大会の大島正敬会長、沖眞一副会長と一緒に来社し、充実した研修を報告した。
 来伯したのは四年生の村山一さん(22、長野)と三年生の涌井有人(23、東京)、影沢哲矢(21、茨木)、坂木興史(21、群馬)さん。
 四月から同大院へ進学する村山さんは、「経営展開」の研究調査が目的。大島会長の経営するミナス州カンブイ市郊外のバラ農園で約三週間を過ごした。
 同地で二十五年間バラ栽培をする大島会長だが、その前の十年間はバタタを生産していた。「バタタやトマトみたいな投機的な農業から、安定した花卉産業へと移行していった日系農家のひとつの事例を見せてもらった」と村山さん。実際に目で見ないと分からないことが多かった、との収穫を話す。
 涌井、影沢、坂木さんの三人は、同州トレス・コラソン市近郊のブラジル人のコーヒー農園で研修。時期でないために収穫はしなかったが、草刈りや苗の補植などを経験、使用する農薬の調査や作業暦制作などをした。
 最初のころは言葉が全く通じず戸惑ったというが、「充実していて楽しかった」と三人は声を揃える。影沢さんは、「なんでも一歩踏み込んでいく度胸がついた」と話し、貴重な体験を噛みしめているようだ。
 学生四人の様子を見に来伯した堀内教授と三簾准教授は、「僕たちの大先輩が活躍しているブラジルの重要性を再認識した」と話し、しばらく行われていなかった同学科のブラジル研修を「今後も続けていきたい」と話していた。