3時間の雨でサンパウロ市止まる=洪水、停電に交通網停止=ABC地区でも大きな被害
ニッケイ新聞 2009年3月19日付け
〇八年十一月の「サンパウロ市は水害にはより備えられた状態」とのサンパウロ市長発言とは裏腹に、サンパウロ市とABC地区は十七日の豪雨で機能停止と十八日付伯字紙が報じた。
秋開始を三日後に控えたサンパウロ市を夏の嵐が襲ったのは午後三時半ごろ。約三時間吹き荒れた雷雨がもたらした雨は、三月の平均降水量の二九%にあたる五一・二ミリ。所によっては九〇ミリ近く降り、セントロや南部など広範囲で被害が出た。
川が急に増水し、エスプレッソ・チラデンテス用高架に上る車も出たエスタード大通りやリカルド・ジャフェ大通り、アリカンドゥーヴァ大通りでは、信号待ち中に水没した車も続出。アニャンガバウのトンネルも封鎖されるなど、道路網は各地で寸断された。
また、アンシエッタ道も一部通行不能となった他、ABC地区三市でも、都電(CPTM)が止まり、市役所が孤立化するなどの被害。
サンパウロ市だけで五八カ所の洪水が起き、公共交通機関も止まった今回の雨では、倒木による電線切断などで、信号停止や停電も多数発生した他、南部では降ヒョウもあった。
水に浮く乗用車や、バスや車の屋根の上で助けを待つ人、動かなくなった車の中で気分が悪くなりヘリコプターで救出された人など、各地で混乱が続いたサンパウロ市では、十九時時点の渋滞も二〇一キロと今年最悪。渋滞は夜になっても続いた。
また、生産されたばかりの新車や車体の一部が並ぶフォード社やメルセデス・ベンツ社の駐車場も浸水など、通常の洪水では見ない光景も。詳細報告は出ていないが、相当な被害となりそうだ。
帰宅が何時間も遅れた人や、一メートル半も水位が上がり梯子を使って隣家に逃げた妊婦など、被害の内容も様々だ。
〇九年サンパウロ市では洪水対策費より宣伝費の出費が多いとの声に、洪水対策は時間が必要だし、ここ三年の洪水対策費はこれまで以上の出費との当局者発言も。アクリマソン公園の池も汚泥を除去せず水を張るなど、工学部出身者が多い市政府は、経費と対策効果の計算をしない。雨毎に身の危険にさらされる庶民救済に腰が重いなら、道路へのゴミ放棄削減などの自己防衛策しか残らない。