ニッケイ新聞 2009年3月19日付け
日本政府による「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による改装工事が終了したサンパウロ州バウルー市の西約四十キロにあるドアルチーナ市のサンフランシスコ・デ・アシス保育園(マリア・アパレシーダ園長)で十三日、除幕式が行われ、在サンパウロ総領事館の大部一秋総領事が出席した。
百八十人の園児が通う同園は一九六三年に開園。老朽化が目立っていたが、昨年九月に工事費用として八万八千七百六十七ドル(当時十五万三千レアル相当)の草の根無償援助が行われ、床の張り替え、教室を三部屋増設、机や椅子などが新調された。
園児たちは日伯両国旗の小旗を振って大部総領事を歓迎。午後二時半に始まった式でアパレシーダ園長は、「園児、保育園に関係する全員を代表し、日本政府による今回の援助に感謝します」と喜んだ。続いてジュニーニョ・アデラルド市長が謝辞を述べた。
大部総領事は、「今までの問題が解決したのは援助だけではなく、みなさんの日々の努力に他ならない」と関係者の労をねぎらい、多くの出席者から拍手が送られた。
桜の植樹や記念プラッカの序幕が続いて行われ、園内を視察した。
式典前には、昨年の移民百周年を記念して造営された日本公園(Jardim japones)や記念塔を見学した。
ドアルチーナ日本人会(馬渕千春会長、会員十家族)の会館で戦前に移住した老移民ら五十人と歓談、大部総領事は、移住当時の生活の様子などを聞いていた。
馬渕会長(64、岐阜)は「あいにく雨にたたられたが、初めてとなる総領事の訪問を皆喜んでいた。このような小さな町の保育園に援助を頂き、有り難い限り」と話していた。