ニッケイ新聞 2009年3月19日付け
評議員選挙が行われる文協総会まであと十日。各派が会員らにマニフェストや支持評議員立候補者リストを送ったことはすでに報じた(十四日付け九面)。十八日現在ですでに投票しているのは百八十二人。うち十四人が会費未払いのため百六十八が有効票だ。この数多いか、少ないか▼前回の評議員選挙への投票数は七百四十七。二千四百の会員数から見れば、約三分の一となる。文協事務局によれば、会費を全納、投票権のある会員は約千三百というから、半数は参加しているわけだが、半数は冷めているとの見方もできる▼さて現在の選挙方法には批判も多い。名前だけで評議員を選ぶ顔の見えない選挙に疑問を覚える良識ある会員もいるだろう。そこで各派がリストを送ったわけだが、簡単な経歴があるだけで判断基準にはほど遠い。会員の声を反映させ、参加意識を高めるため、反体制派はマニフェストに選挙法改正を掲げる。直接選挙が行われた〇五年の文協会長選挙の投票数は八百九十三、上原幸啓、谷広海両候補の一騎打ちとなった決戦投票は九百五十九票だから、多少の効果は見込めるか▼現体制や事務局に対する疑心暗鬼も指摘しておきたい。ある会員から投票用紙を受け取った証拠の提示を求められたことから、選挙管理委員会は前日二十七日までの受け取り分リストを作成する。選管側も「書留やSEDEXで送ってもいいが、代金は会員持ち」を強調するのだから、なかなかに切ない。文協改革を標榜する渡部和夫評議員長は、「十年かかる」と話していたが、今年で改革開始から七年目だ。締めくくりまであと三年。この期間、長いか短いか。 (剛)