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ジュンジアイ=1歳児とその母を虐待=2歳の娘を持つ女雇主が=重傷負わせ病院から通報

ニッケイ新聞 2009年3月21日付け

 サンパウロ州ジュンジアイで、二歳の娘を持つ女雇主による、子守り役の女性とその子供への虐待が発覚と十九、二十日付伯字紙やサイトなどが報じた。
 二週間に渡る虐待の被害者は、バイア州出身の一八歳の女性Lと一歳二カ月の息子で、加害者は、Lを子守りに雇った三三歳のヴァウデシーナ・アウメイダ容疑者。
 夜仕事をするため、昼間は休みたいのに、赤ん坊が泣き止まないとストレスを募らせ、自己抑制を失って暴行したというが、同容疑者による虐待の発覚は十八日のこと。
 市内の病院に重傷の男児を抱えた同容疑者が飛び込んだのは、同日朝十時頃。頭蓋骨にひび、腹やそけい部などに火傷、全身に無数の内出血や傷痕。アゴーラ紙には右足の骨折も報告されているが、通常の家庭内での事故によるものでないことは一目瞭然で、病院からの通報により、同容疑者は即日逮捕となった。
 容疑者自身の供述によれば、怒りにまかせ男児を床に投げつけた後、男児が動かなくなったのを見て驚き、病院に担ぎ込んだのだという。
 体中の傷は反復する虐待を物語るが、容疑者の自宅で保護された男児の母Lも、片目が腫れ上がり顔にアザ。他方の目も充血し、背中には、男児同様内出血の痕が無数に刻まれている。
 Lによれば、虐待は約二週間続いており、誰かが来れば親子は家の奥に閉じ込められ、外出も許されないなど、実質的軟禁状態。しかも、誰かに喋れば殺すと脅され、叫び声さえ挙げずにいた。
 このため、L親子の存在を知る住民は少なく、連日の泣き声も娘のものと認識。娘には虐待の痕もないため、泣き声を不審に思ったが通報出来なかったという人もいる。
 事件のニュースは刑務所にも知れ、イツペヴァ刑務所では、入所を拒む女囚達の反抗も起き、容疑者を別の部屋に隔離。二十日にカンピーナス刑務所へ移送と決まった。
 二月十七日付エスタード紙によれば、児童虐待通報は一%以下で、一九歳までの児童虐待による死者は、九五年の五六三八件が、〇五年には約八七〇〇件に増加。ストレスや麻薬、筋肉増強剤使用などで、自己抑制出来ない大人が増えていることも無縁ではない。