ニッケイ新聞 2009年3月21日付け
夏が終わりに近づいたとたん、サンパウロ州各地で洪水に悩まされるようになった。サンパウロ市ではカサビ市長が十八日に「市が計上した予算全てを使っても洪水絶滅は不可能」と発言するなど、例によってお手上げ状態。夏の最後の十九日にも、サンパウロ州のジュキアーで三月の平均降水量の半分が降り、警戒宣言発令となった他、イグアペやパリケラ・アスーからレージス・ビッテンコウテに通じる道路など、交通網も何カ所かで寸断された様子。二十日からは暦の上で秋に入ったが、気温も降水量も平年を上回ると予想されている。頭の痛い水害ではあるが、見方を変えれば、今年は渇水の心配はなさそうとの声も。
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サンパウロ州イツー市で十八日夜、走行中のバス運転手が、急に気分が悪くなり運転不能に。制御を失い舗道に乗り上げたバスによって歩行者三人が死亡し、二人が負傷。救急病院に運ばれた運転手も、心肺停止で死亡した。十七日に起きたサンパウロ市の水害での死者も、心肺停止と心筋梗塞で死亡。心臓疾患での死は急激なストレスや恐怖によっても起こりうるが、睡眠時無呼吸症候群など、職業運転手を巡る健康問題も様々。食生活も含め、きめ細かな健康チェックが必要な人も多いのでは?
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二十日本紙既報のラポウザ・セーラ・ド・ソール巡る最高裁判決は、予想通り、先住民保護区の存続と非先住民の立退きを確認。非先住民の立退き期限などは、来週中にも確定の予定と二十日朝発表されたが、米作り農家などの抵抗は目に見えている。判決では〃即時撤退〃を命じ、二十日に期限発表の予定が変更されたもので、米作り農家などは、立退きは収穫を終えた六月以降にして欲しいと、司法当局に再度要請するという。