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東西南北

ニッケイ新聞 2009年3月26日付け

 一歳半で武勇伝? サンパウロ州内陸部で、祖父母宅から消えた一歳半の男児が、二〇時間後に保護された。男児失踪に祖母が気付いたのは二十二日午後。家族や隣人、警察が徹夜で捜査しても、サトウキビ畑に消えた男児の姿は見つからない。二十三日午後、「お母さん」と呼びながら男児が扉を叩いた民家は、何と祖父母宅から三キロも離れていた。虫に刺され、空腹のままさまよった男児は、病院での検査後に父母の元に引取られた。語り草にされそうな武勇伝だが、ブラジルだけに両親の不安はさぞや大きかったに違いない。
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 サンパウロ州政府が、官房長官が導入決定した学校向け無償インターネットサービス導入を拒否。決定時に州と話合わなかったとの話もあるが、州教育局は、国が導入を決める前に州政府が導入したシステムがある上、システム変更には多額の経費がかかるためと説明。大統領選でのライバルによる計画受入れを知事が嫌ったかと勘繰りたくなるが。
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 ロライマ州先住民保護区ラポーザ・セーラ・ド・ソウからの非先住民撤退は四月三十日までと、二十五日に最高裁判事が発表。保護区内人口の一・五%を占める米作り農家には厳しい通達だ。一〇万トン以上生産される同州の米は、七〇%が保護区内で生産されていた。撤退の期限内完全遂行のため、連警や治安部隊の現地駐留は継続される。
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 ブラジルは、ジャーナリストにとってリスクの高い国別ランク一三位との国連発表が二十四日に報道されたが、一月にサンパウロ州カンピーナスで起きた放送局への爆弾投入事件の容疑者五人を逮捕との二十五日付け報道。四人は逃走中というが、事件の指示者は、気に入らないことを同局に報じられた腹いせにやったとか。