ジアデマで早朝の火災=炎と黒煙は150メートルにも=化学薬品流れ周りも延焼
ニッケイ新聞 2009年3月28日付け
サンパウロ州大サンパウロ市圏にあるジアデマ市で二十六日朝、化学薬品の貯蔵庫もある工場での火災が起き、近隣の民家などが延焼、地域の学校などの授業も中止となる騒ぎとなった。
G1、フォーリャ、その他のサイトによれば、午前七時二〇分頃発生した火災は、清掃用品類を製造する化学薬品工場ジアル・キミカが火元と見られ、爆発を繰り返す度に吹き上がる炎と黒煙は一五〇メートルに達したというほど激しいもの。
現場は、イミグランテス道にも程近い坂道で、工場の敷地内には、原料となる化学薬品も貯蔵されていたため、貯蔵庫の薬品に引火する度に爆発するという悪条件。
近隣の住民はパニックに陥ったが、住民達を驚き慄かせたのは、噴き上げる炎と黒煙の凄まじさや爆音だけではなく、工場から流れ出た薬品が坂道を流れ、引火した炎が路上を走ったこと。
この、路上を走った炎は、工場のあるエンリッケ・デ・レオ大通りと、イミグランテス大通りを駆け下り、二つの通りでは、飛び火の形で鉄鋼工場と数件の民家での延焼も起きたようだ。
燃え盛る炎で熱さを感じる程の現場周辺は、消火活動と危険回避のため半径一〇〇~二〇〇メートルの区域が立ち入り禁止に。近くの学校や保育園も授業が中止された。
また、工場内や周辺の電線が焼け、変圧器の爆発が起きたこともあり、工場のあるジャルジン・ルイセ地区は停電となり、電話も通じなくなったという。
サンパウロ市などからの応援も得、一二〇人の消防士、四六台の消防車による消火作業により、一〇時半頃過ぎには鎮火したが、一一時半現在、消防では、再び爆発が起きないよう、続けて放水しているとの情報も流れた。
怯える犬や猫を抱え、取る物もとりあえず戸外に飛び出した住民は、立入り禁止処置が解かれるまでの間、延焼の危険のない地域の体育館に収容されたが、煙やガスを吸い込んで気管支などを傷めた住民ら六人が病院で治療を受けた。
この火災はコンゴーニャス空港からも確認出来たというが、原因調査はこれから。家財を失ったりした住民の多くは泣きながら現場を離れたという。