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ダスル社長らを拘束=連邦地裁が94年の判決

ニッケイ新聞 2009年3月28日付け

 高級服飾店「ダスル」社長のエリアナ・トランシェジ容疑者と弟の元財務取締役アントニオ・P・アウブケルケ容疑者が二十六日、グアルーリョス連邦地裁第二法廷のマリア・I・プラード裁判長から犯罪組織結成と脱税などのかどで禁固九十四年六カ月の判決を言い渡され、身柄を拘束されたと二十七日付けフォーリャ紙が報じた。
 同容疑者は二十六日、カランジル刑務所の女子用独房へ収監された。同容疑者は一月、肺ガンにより社長職を退き治療中。弁護士は同容疑者のために特別房を探したが、空室がなかった。弟はピニェイロス刑務所の未決棟に入った。
 ダスルは〇五年七月以来、四年間にわたって連邦警察の係官二百五十人によって捜査を受けた。他に七人も審理中だ。
 ダスルは、高級服飾品を貿易商から国外の仕入れ原価より格安価格で輸入していた。連警はグアルーリョス空港で通関中のコンテナー衣料が法外に廉価なので、輸入税をごまかす納税詐欺の疑惑を持ったようだ。
 これら一連の商品輸入で同社は、国税庁とサンパウロ州税務局から十億レアルの罰金と課徴金を課せられた。同社は同商品の輸入税は、サンパウロ州の債務分割払い制度によって決済済みであると抗議した。
 しかし、連邦地裁は同社の元会計士で貿易商を営むセルソ・リーマ容疑者を拘束し、五十三年の刑を宣告。逃亡中の他の貿易商四人も犯罪組織の結成と公文書偽造、脱税の容疑で十一年半から二十五年の刑とされたが、容疑者は全員容疑を否定している。
 連邦地裁は、被告全員の拘留を言い渡した。これは、一味が前件で係争中に関わらず、引き続きサンタカタリナ州イタジャイ港からシャネルとグッチのバッグ百七十万レアルの不正輸入を試みたことに起因。また、一九九五年の法令改正により、組織犯罪者は控訴審までの仮釈放の権利も失っている。
 今回の判決は、組織犯罪とは、麻薬密売者のような銃器を手にした犯罪組織によるものばかりでなく、闇の世界で金を動かす贈収賄のような手口もあることを明確にした勇敢な決断と評価され、他の地裁もこれに続くと予想される。
 ダスルは長年、犯罪組織とのつながりで不正資産を蓄え、資金力による影響で闇の帝王として振舞ってきた、とされている。

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