CNNテレビ=「G20で最も老練の政治家」=ルーラ大統領が自己宣伝=失業の悲哀経験者は私だけ=危機は失敗を許さない試練
ニッケイ新聞 2009年3月31日付け
G20サミットを四日後に控えルーラ大統領は二十九日、米国のテレビCNNに招かれ「サミットに招かれる度感じるのだが、私は異質人間らしい。G20は世界の経済やエネルギー、環境を討議するのに、G8よりもメンバーが揃っている。しかし、サミットに出席する首脳の中で貧困と飢えを肌身に感じて知っているのは私だけだ」と述べたことを三十日付けエスタード紙が報じた。これまでサミットが再々開催されたが、「言葉のアソビ」の域を出ていないと大統領は揶揄した。
CNNの同番組は「世界で最も国民から支持されている大統領」の触れ込みで放映された。
大統領が開口一番、「失業とは何か。私は一年半失業した体験があり、失業が何を意味するか肝に銘じて知っている。失業者が日々、どんな気持ちで現実と戦っているか。労働について、私は世界の誰よりも熟知している」と訴えた姿は、全米へ放映された。
ロンドンのG20サミットに集まる首脳は、国民の抱える問題について側近を通じて下々のことを想像しているに過ぎないというのだ。
大統領は「家の中に泥水が一米半も浸水し、水牢のような住居で生活をした。寝床は、溝ネズミやゴキブリと場所の取り合いであった」という。
大統領は米国を始め、先進国の首脳に、クレジットの枯渇を真剣に考えるよう訴えた。金融救済法が公的資金を金融機関に投じるのは、大統領には論外だという。生産部門に投じ投資の促進と雇用の創出を図るのが、発展につながる社会協定ではないかと訴えた。
保険大手のAIGが、政府から資金援助を受けながら幹部職員に法外なボーナスを供与するのは、関係者全員が無責任というしかない。
ルーラ大統領は米大統領との会談直後、「経済混乱は、米大統領にとって失敗を許されない試練だ」と語ったことについて、質問を受けた。
この質問に対し、ルーラ大統領は〇三年に、「私が失敗するなら、労組出身者は二度と大統領になれない」と自ら公言したことを思い出しながら述べた。
ルーラ大統領は「米国史で初の黒人大統領に、失敗は許されない。神が偶然に大統領へ据えたのではない。いま米国に重大なことが起きているのだ」と米国大統領にテレビを通して忠告をした。