ニッケイ新聞 2009年3月31日付け
PT(労働者党)は二十七日、裏金疑惑でジェフェルソン下議(PTB=ブラジル労働党)に下手人として告発され、党を追われたデルービオ前財務担当の復党を巡って、ルーラ大統領とジルセウ前官房長官の意見が相違して混乱と三十日付けジアリオ・デ・コメルシオ紙が報じた。
前官房長官の意見では、前財務担当の終身処分は中世的感覚だという。同担当は既に処罰済みであり、復党しても、ロウセフ官房長官の選挙戦略に何ら支障はないと前長官が弁護した。
同担当はまだ判決を受けていないが、裏金疑惑から無罪となる可能性がある。当人は一銭も着服したことはなく公的にも潔白。党議に抵触したという罪科は、十分償ったと前長官がいう。
同担当は三年間、裁判所通いをしたが、PT復帰による政治活動への道が一生断たれたわけではないと前長官は見ている。同担当は二〇一〇年、ゴイアス州から下議選へ立候補する意向。
デルービオ前担当の復党願いは四月、党執行部で検討するが、意見は二分している。前担当の復党が野党へ格好の攻撃材料を与えることはないと、PT前主流派会議で前長官が訴えた。
ベルゾイニ党首の臨時代行を仕切っているジウベルト・カルヴァーリョ大統領顧問の党首正式就任についても、前長官が大統領に打診することになった。同顧問も前担当と同様に、PTの裏役として活躍した人物。
大統領が同顧問に表舞台での活動を認めるかが、新たなPTの焦点らしい。同案にはドゥルシ総務長官も同意。同顧問と前担当の起用は、新路線を取り始めた大統領が、旧腹心をどう思っているかにつながる。
ジルセウ前長官は「大統領には金融危機という難所を乗り切るため、独自の考えがある。しかし、党と旧腹心は、大統領にとって何なのか。二〇一〇年は、それを見ることになる」と評した。