数ミリ差で奇跡の生還=潜水夫の頭をモリが直撃=新設の最新機器も大活躍
ニッケイ新聞 2009年4月1日付け
モリ撃ち漁に出かけた潜水夫の頭を、岩に当たって跳ね返ったモリが直撃! 誰もが重度の障害や死を考えるような事故にもかかわらず、潜水夫は嗅覚を損なっただけで奇跡的に助かり、話題を呼んでいる。
三月三十日付エスタード紙や三十一日付伯字紙によれば、事故が起きたのは二十八日昼前。リオのグアナバラ湾、ゴヴェルナドール島傍でモリ撃ち漁をしていた、三六歳のエメルソン・デ・オリヴェイラ・アブレウさんが放ったモリは、岩に当たって跳ね返り、アブレウさん自身を直撃した。
「あっという間の出来事だった」と本人が言う程で、よけそこなったモリは、左眼脇から深々と突き刺さり、右目のやや上まで、二五センチも食い込む傷。
海上のボートに居た友人が事故に気付き、救助を求めたが、これほど深い傷にもかかわらず、アブレウさんは意識を保ったまま病院に着き、検査と手術を受けた。
運の良い事に、アブレウさんが転送された州立アダン・ペレイラ・ヌーネス病院は、州立病院第一号として三十日のお披露目を待っていたコンピューター断層撮影機(CT)など、最新鋭機器が設置されたばかり。
カブラル州知事らを迎えてのお披露目前に、CT使用第一号となったアブレウさん。最新機器の三次元映像により、手術の手順などを確認できた医師団は、約二時間かけて手術を行ったが、モリはわずか数ミリの差で急所を外れていたという。
運動機能の損傷はなく、視覚障害も一時的だろうというアブレウさんは、モリが鼻骨の裏側を通ったことで嗅覚に損傷が残る可能性がある以外は順調に回復。三十一日付フォーリャ紙は、三十日には一人でシャワーを浴び食事も普通に摂っていると報じ、三十一日付G1サイトは週末まで入院の予定と報じた。
モリ撃ち漁歴一五年のアブレウさんは、車の塗装屋で二児の父。一般病室に移った三十日は奥さんや日頃通う教会の牧師らに子供達の様子を尋ねる一方、「生き返った」との言葉で奇跡的な生還の喜びを言い表した。