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煙草に増税を発令=不況対策の免税減税補填

ニッケイ新聞 2009年4月1日付け

 車両や建材の免税や減税による税収減を補うため政府は三月三十日、一連の税制改革法案を発表と三十一日付けエスタード紙が報じた。議会の承認が得られれば、煙草などが五月一日から増税され、二〇%から二五%高くなるようだ。
 マナウスの経済特区では、輸出奨励のため一連の免税が行われる。マンテガ財務相は、免税のために生じた十五億レアルの減収分の一部を煙草税で補うと述べた。一般の煙草が二〇%、高級煙草が二五%増税される。
 三十一日で終わる車両のIPI(工業税)減税は、六月三十日まで延期となった。同減税で自動車の売り上げは、不況に関わらず前年同期比を上回る盛況であった。
 建築用塗装材メーカーは、五%課税が免税となったので祝杯を挙げた。その他三十種の建材は、五%から八・五%の減税。FGTS(勤務年限保証基金)を利用する建材購入手続きも簡易化されたので、新しい動きが期待されている。
 一方、煙草メーカーの反応はマチマチ。多国籍企業は増税歓迎、国産企業は新措置に不満をぶつけた。税種によっては、ヤミ煙草が横行する。煙草は増税によって値上げが行われる度、経営改革が求められる。
 これまで最終価格の五八%であった税金が、六五%に値上がりする。国外の煙草税は一律同率だが、ブラジルは種類によって異なる。煙草の値上がり分は喫煙者が払うので、従業員の解雇はないし、投資の保留もない。
 煙草の増税は、国内の零細小企業を密輸品へ走らせる。煙草業界では、現在七万人が働いている。煙草税は企業ごとに定額課税されるので、販売量が少ない零細小企業には税負担が割高になり、多くを売る大企業には割安となる。これは、煙草に対する不合理な税制といえる。