ニッケイ新聞 2009年4月2日付け
【共同】滋賀県教育委員会は四月から、派遣切りや雇い止めに遭った外国人労働者を非常勤の通訳として公立小中学校で採用することを決めた。ブラジル人学校などに通っていた子どもが親の失業で学費の安い公立校へ移ったものの、日本語が分からず、なじめないケースが増えているため。
県教委は親の雇用と子どもの学校生活で〃一石二鳥〃の支援効果を期待。「双方のストレスを減らしたい」(学校教育課)としている。
採用するのはポルトガル、スペイン、中国、タガログのいずれかの言語を話すことができ、日本語も理解できる滋賀県に住む失業者。日本人も応募できる。最大十一人を半年契約で雇用し、一回は更新可能。新学期から要請があった学校に派遣する。
子どもに授業内容を通訳するほか、日本の習慣や文化も教える予定。保護者からの教育相談も受け付ける。県は二〇〇九年度予算で人件費など約三千百万円を確保した。
滋賀県内には約三万二千人の外国人がおり、うちブラジル人は約一万四千人と最多。県教委によると自動車や機械メーカーの大規模工場で解雇が相次ぎ、昨年十二月―今年一月には外国人の子ども計九十一人が公立校に転入した。