ニッケイ新聞 2009年4月2日付け
「日本人の団結、連帯の精神は本当に素晴らしい」。パウリスタ・スポーツ賞の特別賞ゲートボール部門で表彰された、ジョゼ・ザカレリーさん(78)は、そう日本発祥のスポーツを二十五年間続けてきた感想を語った。
ザカレリーさんはこの競技を八五年に始めた動機を、「人生の難しい問題に直面していた時期に、気分転換のスポーツを探していて、たまたま出会った。頭を使った戦略を練る面白さに惹かれた」と語った。
「日本語自体はしゃべれないが、競技の専門用語はすべて日本語で勉強した」と言葉の問題を一笑に付す。
八七年に第二回世界ゲートボール選手権大会(横浜)に唯一の非日系として参加して話題を振りまき、八九年二月には非日系初の三級審判員に認定された。
さらに九四年には、「外人ゲートボールクラブ」を創立し、同年の全伯大会でみごと三位に入賞した。このような非日系人への競技普及の功績が評価され、今回の受賞になった。
「私の夢は、連邦政府などからのスポーツ助成金を受けやすいウニオン(連合会組織)を立ち上げ、より幅広くブラジル社会に普及すること」と意気軒昂だ。
従来、農業面での日系人によるブラジル社会への貢献が多く語られてきが、今ではスポーツに関する貢献もどんどん大きくなってきている。
五輪で常にメダルを狙う柔道はもちろん、今回特別賞を受賞した今井庸治さんが育てたブラジルバレーも、常に世界一を争うレベルになった。
いずれゲートボールが世界に普及したら、ブラジルは優勝を狙うGB大国になっているかもしれない。