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阿波人形浄瑠璃がブラジルへ=「平成座」20周年公演=5月3日、徳島県人会で

ニッケイ新聞 2009年4月4日付け

 江戸時代から続く徳島県の伝統芸能「阿波人形浄瑠璃」が五月に初来伯し、徳島県人会館、憩の園、サントス厚生ホームの三カ所で公演を行なう。
 公演を行なうのは、同県内の人形座の一つ「平成座」(藤本友幸座長)。県人会の原田昇会長が昨年十月に訪日した際に藤本座長を招待したことから話が進み、同座の創立二十周年を記念して、「日系の年配の方、ブラジルの人たちに見てほしい」と来伯が決まったという。
 十六世紀末に淡路で始まったとされる人形浄瑠璃。阿波人形浄瑠璃は義太夫節の浄瑠璃と太棹の三味線、三人遣いの人形の三者によって演じられる人形芝居で、一九九九年に国の重要無形民俗文化財指定を受けている。
 徳島県では阿波藩主蜂須賀家の庇護の下で発展。領内各地に常設の農村舞台が作られ、民衆の娯楽として親しまれてきた。屋外での公演が多かったことから文楽の人形などより頭が大きく、目や鼻がはっきりと彫られた大ぶりの人形が用いられる。
 来伯するのは同座の十人ほか、来伯公演実現に尽力した徳島ブラジル友好協会(林啓介会長)から尾形光俊副会長など十人。
 公演では、主家のお家騒動を絡めながら母と娘の情愛を描く「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を披露。開始前に日ポ両語であらすじの説明も行なう。当日は阿波踊りの共演もある。
 公演日程は、五月三日午後三時から徳島県人会館(ツクルビー区Dr.アントニオ・マリア・ラエト街275)。入場無料。
 訪問団はさらに、一日に憩の園、ニ日にサントス厚生ホーム(いずれも午後三時を予定)でも公演を行なう。
 案内に訪れた原田会長は、「伝統ある人形浄瑠璃の舞台、人形の動きを見てほしい。できるだけいろいろな人に来てもらえたら」と期待を表わした。