ニッケイ新聞 2009年4月4日付け
パウリスタ・スポーツ賞贈呈式で今井庸浩さんは、選手を見れば「どんな指導をすれば世界の舞台に立てるようになるか分かるんだ」と話していた。「僕の手にかかれば世界へ連れてゆける」。
初金メダルに輝いたバルセロナ五輪男子バレー出場選手六人のうち五人を手がけた。
しかしそんな今井さんも今は無所属で「どこも金がなくて大変ですね」とこぼす。他の受賞選手も「スポンサー探しが一番大変。それがないと私たちは戦えない」と現状は厳しい。
WBC連覇を果たした侍ジャパンのイチロー選手も、ヘルメットの広告を隠して小さな騒動になったというが、活躍できる人が金に振り回されるのはやるせない。
半世紀以上続くこの賞は戦い続ける選手の励みとなってきたことだろう。これからも価値ある賞であり続けよ―と願う。 (親)