ニッケイ新聞 2009年4月7日付け
ルーラ大統領は三日、五月に中国を訪問し両国間の貿易決済を従来の米ドルを介する方法から転換、ブラジルの通貨レアルと人民元で直接行えるよう協議する考えを明らかにしたと三日付け共同通信が報じた。
主要新興四カ国のBRICsは金融サミットなどの場でドル基軸体制の見直しを主張。中国とブラジルがドルを介さずに貿易の自国通貨化を進めることになれば、新興国間で「ドル外し」も動きが強まりそうだ。
ルーラ大統領は「ドルに頼らない新たな仕組みを作り出す必要がある」と指摘。中国の胡錦涛国家主席も金融サミットで「国際通貨体制の多元化を促進する必要がある」と表明しており、ルーラ大統領の提案に前向きに対応するとみられる。
両国首脳は二日、金融サミット出席のため訪れたロンドンで会談、国際金融分野での新興国の発言力向上などをめぐり意見を交換した。