ニッケイ新聞 2009年4月8日付け
ブラジル日本会議(小森)の定期総会が三月二十九日午前、サンパウロ市の日本語センターで行われ、約二十人が出席した。冒頭、上野アントニオ名誉会長は「世界不況の今こそ、コロニア一致して皇室の教えを守り、ブラジルのために協力すべきではないか」と訴え、天皇陛下のご即位二十周年、天皇、皇后両陛下のご結婚五十周年という節目の年に当たる意気込みをのべた。
京野吉男さん(陸軍予備大佐)が議長に選任され、〇八年の収支は収入十四万二千六百五十四レアル、支出は四万三千九百九レアル、繰越金は九万八千七百四十五レアルと報告され、その場で承認された。今年の予算は昨年の繰越金を加えて、十二万九千八百八十五レアルとなった。
続いて、小森廣理事長が昨年の事業報告と今年の事業計画を説明した。昨年は小野田寛郎・町枝夫妻を招いて記念講演を行ったほか、『嵐の中の灯台』ポ語版出版準備が行われたことを振り返り、「世界救世教、真光、PLなどの宗教団体からの協力は大きかった」と感謝した。
今年は、十一月十二日に予定されるご即位二十周年にあわせて第五回皇居勤労奉仕団を派遣することになっており、すでに国内で六人、アルゼンチンから十人、パラグアイからも五人が申し込んでいるという。締め切りは四月いっぱい。
七月に出版される『嵐の中~』ポ語版には、今年の予算から十万レアルを制作費に充てることが提案され、承認された。
最後に、京野さんが陸軍時代の激務を振り返り、「日本人はやはり大和魂で」と締め括った。
そしてビデオ『平成のご巡幸』第二巻を全員で鑑賞し、万歳三唱した。
小森理事長は「若手政治家を育てなければ」と、来年のサンパウロ州議選に出馬を表明している小林ビットル氏を招待した理由を説明した。
小林氏はそれに応え、「次の百年に向け、日本文化をブラジルで継承するさらなる努力が必要」「一般社会に統合しながら根(ライース)を残す」などと訴え、「日系人の代表を政治の場に送り込むのは、社会統合の証左だ」と力をこめた。
昨年の百周年では、サンパウロ州政府に日系州議が誰もいなかったために、州政府機関からの支援がほとんど得られなかったことを振り返り、「ブラジルを代表するいろいろな組織・機関に、日系人の代表を送り込むことは、コムニダーデの存在感を強め、団結感を高める」と語り、出席者から拍手が送られた。
その後、場所を移して懇親昼食会となり、ゆっくりと語らった。