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景気対策第2弾、家電に減税=酒で税収減を補填=冷蔵庫、レンジ、洗濯機など=効果を疑問視する声も

ニッケイ新聞 2009年4月9日付け

 政府は七日、冷蔵庫やレンジ、洗濯機などの生活家電(白物家電)に対するIPI(工業税)を減税し、アルコール飲料への増税で補填することを草案中と八日付けエスタード紙が報じた。生活家電は金融危機のため、〇八年十月から〇九年二月の生産が前年同期比で一〇%落ちており、自動車に倣って業界支援第二弾とする意向。ルーラ大統領は、IPI減税の税収減による地方自治体への交付金減少に触れないため、詳細は不明。場合によっては、煙草税の再増税または地方自治体への交付金廃止の可能性もある。

 GDP(国内総生産)の落ち込みを防止するため、自動車に続く業界支援の大統領命令。中央銀行が〇九年のGDP予測を一・二%としているのに対し、多くの経済専門家は〇・一九%と悲観的見方をしている。
 大統領は、生活家電のIPI減税による景気回復をマンテガ財務相に一任。同時に減税による税収減が、地方自治体への税収配布の削減につながり、州や市の政府に対する圧力とならないように難しい注文をつけた。
 大統領は六日、ミナス州モンテス・クラーロ市を訪れた折、ペルナンブッコやセルジッペ、ピアウイー、バイアの各州知事から、税の州や市への交付金に手をつけてはならないと灸をすえられた。
 地方自治体への税収配布は、FRE(州向け)とFPM(市向け)とがあり、IPIとIR(所得税)が資金源となっている。連邦政府は、地方自治体から「他人の褌で勝手なことをしている」と再々、非難された。
 IPIの減税と増税を同時に行うので、財務省スタッフは知恵を絞っている。自動車のIPI減税も、年末までとする案と六月末までの案の間で迷っている。問題は第2四半期で、景気に明るさが戻るかどうかだ。
 財務省スタッフは、生活家電のIPI減税効果を疑問視している。先に政府の補助金つきで低所得層への冷蔵庫販促を行ったが、初期の目的を達しなかった。生活家電は政治の道具にならないのだ。
 家電業界は生産一〇%落ち込みの他、スプレッド金利(銀行の資金調達金利と一般ローンの金利差)が足を引っ張っている。これが高利の上に、銀行は民間企業や消費者ローンに貸し渋っている。
 最近はローンの期限短縮や消費者所得の減少、債務不履行急増などの問題も浮上している。これらをクリアーできないと生活家電支援は掛け声だけになり、景気回復は遥か先の話になるという。