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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年4月9日付け

 六日にイタリアを襲った地震は、ここ三十年で最大。遺跡も含む多くの建物倒壊、死者二百人超、再度の揺れなど、報道を聞く度に胸が痛む。
 六日のサイトでは、ブラジル在住のイタリア人達が本国と連絡をとろうとしている、との見出しも目に飛び込んだ。
 イタリア在住のブラジル人を案ずる人と、祖国の親族を案ずる人と。立場は違っても、人々の心が被災地に飛んでいる事を実感した瞬間だった。
 十四年前、阪神大震災発生前夜に日本を出発したため、震災の事を知らないままグアルーリョス空港に着き、大丈夫だったかとの問いにきょとんとした事も思い出すが、祖国を思い、親族を思う気持ちは、国や民族を超えた共通のものだ。
 多民族国家のブラジルだけに、各人が隣人の痛みも自分のものとしながら生きるなら、多くの国や人を愛し、愛される国が育つ事だろう。(み)