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不老長寿はならぬ夢?=ブラジル人の肥満が増加=運動する人は増えたのに

ニッケイ新聞 2009年4月10日付け

 ブラジル保健省によると、ブラジルの肥満増加は続いており、〇八年には人口の一三%に達したという。
 九日のテレビニュースなどでも報じたが、〇八年に首都及び州都で行った電話調査(五~七日発表)によると、体重を身長の二乗で割った指数IMCが三〇以上の人は、〇六年の一一・四%から一三%に増えた。
 適正体重はIMC二五未満で、三〇以上を肥満と判断、三五以上は手術勧告もされる。ブラジルはIMC二五以上が四三・三%で、人口の半分弱が適正体重を超えている。
 肥満については、IMCが三〇~三五だと寿命が二~四年、それ以上なら一〇年短命となる可能性ありと三月十九日付フォーリャ紙が報じた。肥満増加は深刻で、胃の縮小手術は、七年で五倍に増え、週に五五〇件と三月二十二日エスタード紙が報道。肥満者は人口の三〇%以上と指摘する専門家もいる。
 肥満者は、脳血管障害や心筋梗塞の他、高血圧や糖尿病、ガン、胆石その他のリスクが高まり、セルフイメージ低下などの問題も生じる。
 一方、運動をしない人は減り、定期的な運動をする人が増加、脂の多い肉の消費が減り、野菜や果物の摂取量は増加、喫煙者減少など、生活習慣改善も進む中で肥満が増えたのは何故だろう。
 保健省では飲酒増加も一因と分析。三〇日以内にまとまった量の飲酒をした人は、〇六年の一六・一%が一九%に増えた。男性の一八%増に対し、女性は三〇%増加した他、高学歴層ほど飲酒が増えているという。
 また、運動をしていない人は二六・三%に減少したが、女性は二九・五%に増え、六五歳以上は五二・六%と高率。三月二十七日付フォーリャ紙によれば、女性の心筋梗塞は増加傾向で、子供の場合、IMC二五以上が三〇%、三〇以上も一五%いるという。
 これに対し、五日付エスタード紙には、運動により病気の改善や薬服用量減少などの報告もあるように、運動や食生活は健康管理の基本だ。糖分や脂肪分の多いチョコの消費が増えるパスコアの連休は、アルコールや炭酸飲料を控え、家族揃って公園で散歩や運動というのも一考に価する。

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