ニッケイ新聞 2009年4月14日付け
モジ・ダス・クルーゼス文化体育協会(中山喜代治会長)主催の「秋祭り」がパスコアの祝日も含めた十、十一、十二の三日間、ポルテイラ・プレッタ区にある文協スポーツセンターで行なわれ、好天もあってか約七万人(主催者発表)の賑わいを見せた。メインステージの様々なショーを始め、六百四十基の灯篭流し、最終日には花火も打ち上げられた。中山会長は、「おかげさまで無事終わりました。モジ市制四百五十年を迎える来年はもっと盛り上げていきたい」と意気込んでいた。
十日午前八時、敷地内にある「やすらぎの塔」前で慰霊法要が清水円了(モジ本願寺)、佐藤鴻舟(曹洞宗禅源寺)によって営まれた。
中山会長があいさつ、一九二九年に入植した加納末広さん(88、元モジ文協会長)が歴史を語り、出席者約百人が焼香、秋祭りの無事と成功を祈った。
午前十時からあった式典には、約三百人が出席、マルコ・バエルタイオーリ市長、ゆかりの州議員を始め、大部一秋在聖総領事、安部順二元モジ市長、ブラジル日本文化福祉協会の上原幸啓会長、ウィリアン・ウー連邦議員らが壇上に上がった。
日伯両国旗掲揚の後、中山会長は市や関係者らの協力に謝辞、開会を宣言した。
後援企業のレアル銀行、上原幸啓文協会長、ウー連議らがそれぞれ祝辞を述べた。
大部総領事は、開会式が天皇皇后両陛下のご成婚からちょうど五十年目の日にあたることを「記念すべき日」とし、「秋祭りがモジの看板イベントとなり、農業振興に一役買っているのは喜ばしい限り」と話した。
マルコ市長は、コロニアと市の協力関係を説明し、「今や四十万人を数える都市であるモジに、敬愛すべき団結力のある日系コロニアがあることは大きな誇り」とあいさつ、会場からは拍手が送られた。
鏡割りが行なわれた後、堀井記念体育館で行なわれている農産・日本文化展を見学した。
入り口には日本の写真が展示され、来賓らは花卉、果樹、野菜など様々な農産品を手に取るなどして感心した表情を見せていた。モジ裏千家による茶室や日本語教育普及会モジ支部のコーナーもあった。
〇一年から昨年までモジ市長を務めた安部順二さん(68)は、「秋祭りは日系コロニアの象徴。八〇年代からのデカセギで人口は減ったが、みんな歴史や文化を残すため頑張ってきた」と感慨深げに会場を見渡していた。