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グアラピランガ=月に1千袋のゴミの山=400万人の水がめを脅かす=達成なるか河川浄化計画

ニッケイ新聞 2009年4月15日付け

 サンパウロ総合大学では十四日、サンパウロ州河川の問題を扱うセミナー「サンパウロ州の川」が開催されたが、サンパウロ市南部グアラピランガ湖で回収されるゴミは月に一〇〇〇袋と十三日付エスタード紙が報じた。
 一九〇〇年代に作られた人工貯水湖グアラピランガは、サンパウロ市周辺人口の二〇%にあたる四〇〇万人への水の供給源で、市民の憩いの場でもある。
 ところが、湖に流れ込む川が運んだり、直接投げ込まれたゴミが湖面や湖水を汚し、悪臭まで漂うというのだ。
 大雨の後はゴミも増え、悪臭も強くなると、週末の散歩で湖を訪れる住民も証言しているが、ゴミ撤去作業は手作業で、様々な困難も伴う。
 現在の作業は、三人乗りのボートで水草を掻き分けて水際まで行き、水面や湖底のゴミを集めては一〇〇リットルのゴミ袋に詰め、伴走の大型船に移して分別場に運ぶという手順の繰り返し。水草に絡みついた状態の物も多いゴミ回収はそれだけでも困難だが、夏場は蚊の攻撃なども加わり、作業員を悩ます。
 回収されたゴミには、ペットボトルやビニール袋、食べ残し、木の枝や動物の死体の他、タイヤやコピー機などまで含まれ、浄水場の取水口がつまり、潜水作業を必要とした時もあったという。
 現在はゴミがたまりやすい場所を分析し、九カ所でのゴミ回収作業を徹底する事で、潜水夫まで使った取水口開通作業は不要となったというが、一日に回収されるゴミは平均五〇袋。二月には約一〇〇〇袋が回収されたといい、この二年で回収されたゴミは一一〇万リットルにも及ぶ。
 処理すべき物は、ゴミの他、家庭や工場からの汚染物質、車走行で飛び込む油や砂など様々だが、サンパウロ州水道局では近日中に、グアラピランガ湖での作業迅速化のため、ベルトコンベアーなどもついた最新型のごみ収集船導入の他、サンパウロ市協賛の二〇一二年末までの河川浄化計画実施のため、この二年間に一八五〇万レアルを投じてもきた。
 前記セミナー発題者には、韓国ソウル市で汚染河川を観光名所になるまでに変えたスタッフも含まれているが、グアラピランガ湖を観光拠点の一つにとの目標達成も待ち望まれている。