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駅職員が乗客に暴行=殴り蹴り鞭打つ映像も=リオ市近郊電車ホームで

ニッケイ新聞 2009年4月17日付け

 リオ市近郊電車SuperVia(以下、SV)の駅で、プラットホームの警備や乗客誘導担当職員が乗客に暴行を加えたりする様子が放映され問題になっている。
 十六日付伯字紙によれば、十五日朝六時四〇分頃、リオ市郊外のマドゥレイラ駅で起きた暴行事件は、グローボ局で放映され、超満員の電車乗客と揉み合いになったホーム職員が、乗客を押し込む際に殴ったり蹴飛ばしたりした様子や、笛についている紐で鞭打つ様子も映し出された。
 映像には車両の屋根に上った青年達や車両の窓から消火器薬剤が噴き出す様子もあり、扉が閉まらないよう抑える乗客も含め、当日の状況は常軌を逸したとSV担当者。
 一方、利用者らは、職員の乱暴な行為は日常的で、十三日のスト入り後は悪化という。普段でも混む電車が運行数減少で超満員となり、ストレスが嵩じた職員が通常の業務の域を越え、暴行に至った可能性もある。
 暴行被害者の乗客二人が十五日に警察に届け、州検察局なども捜査に乗り出すことになった電車職員の暴行事件。現実にはホーム職員はSV下請け企業の派遣社員で、四人が即日解雇された。
 SVでは、警備職員の訓練のあり方も見直すというが、職員には職務追行のためなら何をやっても良いかのような考え違いや思い上がりがあったとの指摘もある。
 しかも、リオ近郊電車は、扉開放時は走行不能となる安全装置不備車両も多く、扉が閉まっていないのに現場の軍警が機関士に出発OKのサインを出した様子や、扉が開いたまま走行する電車も放映された。
 給与調整や四カ月間に解雇された一一人の職員の復職を求めたストは、十五日夜、無期限続行が決まり、十六日には運行中止の路線も出ている。
 スト中も電車利用を余儀なくされる利用者は、「あの時間の電車利用者は善良な労働者達だ」と抗議しているが、州政府やSV、労組が衿を正して電車運行、経営などを見直し、改善を図らなければ、オリンピック招致にも名乗りを挙げているリオ市の名に泥を塗ることにもなりかねない。