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米中が中南米接近=未来の資源戦争に布石か

ニッケイ新聞 2009年4月17日付け

 米国と中国が中南米へ熱い眼差しを注いでいると十六日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。米大統領は中南米との政治と通商で関係修復を図るため、南米諸国連合(ウナスール)十二カ国首脳との個別会談を非公式に設定したという。
 大統領府は、米大統領の個別会談には触れず説明もない。ルーラ大統領は、キューバのOAS(米州機構)加入を中南米首脳会議の主要議題にしたいと考えている。
 オバマ米大統領は、ブラジル提案の市場開放について慎重な姿勢を崩していない。市場開放は中南米の団結より、拡散を引き起こす懸念があると考えているようだ。
 一方、中国の現実路線は、米国より一歩先んじ、ドルの大枚を中南米各国にバラまいている。先ずペトロブラスに百億ドルを投資、ベネズエラに百二十億ドル、エクアドルに十億ドル、アルゼンチンに百億ドルと、派手な攻勢振りを十五日付けニューヨーク・タイムスが報じた。
 中国が目を付けているのは、中南米の原油を初めとする地下資源なのは明白。中国は過去十年、中南米諸国と数々の合弁事業を実現し、その規模は米国に次ぐ。
 金融危機を機会に、静かな選手交代が行なわれている。各国への投資は中国政府が、隠密裏に縄張りを広げているといえる。これは中国が遠い将来、資源獲得で米中の摩擦を回避する危険分散の布石のようだ。
 オバマ米大統領も負けずに、中南米諸国と大豆や鉄鉱石など補完的コモディティの長期供給交渉を行う。ブッシュ前政権がベネズエラやボリビア、エクアドルと疎通を欠いたスキに、中国に虚を突かれたからだ。
 これら中南米産油国は、中国向け輸出で米国向けの空いた穴を塞いだ。中亜接近は怒涛のように押し寄せる中国製品の見返りとして、韓国やインドネシア方式に倣った。人民元とペソの共通通貨協定を結ぶ準備段階の根回しのようだ。
 ペトロブラスへの百億ドルは、ブラジルが中国へ日産一億バレルの燃料供給するための前払い金といえそうだ。

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