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米州首脳会議=山場迎えるキューバ=ブラジルの仲介で対話へ

ニッケイ新聞 2009年4月18日付け

 第五回米州首脳会議に向けキューバのラウル・カストロ首相は十六日、米政府とは、人権や報道管制、政治犯の拘束など全ての件にわたり、国家主権に抵触せずキューバ国民の人権に干渉せず、対話の用意があると宣言したことを十七日付けエスタード紙が報じた。
 同首相の宣言は、米大統領が旅行と送金の制限廃止を実施したことへの返礼としてCNNテレビのスペイン語放送で発表された。
 オバマ米大統領は記者団に、キューバ政府は同国民に世界中へ自由渡航を許すよう求むと述べた。ヒラリー国務長官がホワイト・ハウスの要望を伝え、キューバの民主化と政治犯の釈放を要求するだろうと語った。
 トリニダード・トバゴでは、中南米の各国首脳と同地域の新しい方向付けも行なうという。それに対しベネズエラのチャベス大統領は、同首脳会議が従来路線の継続なら、一切の取り決めを拒否と声明を発表した。
 チャベス大統領の拒否理由は二つ。一は人権に関する考え方。二は米州機構(OAS)の理念。どちらもボリバル精神に反し、キューバを除外しているという。同大統領は、オバマ米大統領と二者会談を申し込んだ。
 ルーラ大統領は十六日、オバマ米大統領と電話で米州首脳会議の大筋をまとめ、キューバが今回の米措置にまだ不満であることを伝えた。米州会議で米政府が、さらに譲歩できるかを打診した。これに対し米政府は、次はキューバが譲歩する番だと答えた。
 オバマ米大統領によれば、ブラジルの政治形態が経済政策や国際関係で理想的だという。米州機構は、伯米の連携でまとめる。キューバの制度に対するブラジルの見解は、明白で納得できる。中南米諸国は、キューバの自由と発展、平等、基本的人権の尊重で米案に賛同を求むと要請した。