ニッケイ新聞 2009年4月18日付け
ブラジルの著名な法制学者ジョゼ・アフォンソ・ダ・シウヴァ氏は十六日、ケーザル・バチスチ容疑者に対する政府の亡命容認を妥当とする見解書を発表と十七日付けエスタード紙が報じた。
むしろイタリア司法機関が、終身刑とした判決に欠陥の形跡と不当な圧力があったとする見方を呈した。これまでにも注視の国際問題が、政治的操作やじゅうりんで闇に葬られた例は多数ある。
同見解書の発表は、政府の亡命容認に例外措置の判例として役立ちそうだ。また政府決定にも影響を及ぼすことで、イタリア政府やマスコミにも反響を呼ぶ。イタリア政府の動きに疑問を呈していたジェンロ法相に政治的支援を与え、態度の硬化が予想される。
同見解書は、ルーラ大統領には援護射撃となりそうだ。最高裁には、仲介者を通じて同容疑者の身柄引渡しはないと通告。最高裁判決といえども理不尽であれば、共和国大統領が命令通り従わねばならない義務はないと同法制学者がいう。
最高裁がどう判決を下そうと、一度政府が亡命容認をした人間に対し、本国へ強制送還する理由はないと同法制学者は確信しているという。