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サンパウロ市証券取引所=金融市場に活気蘇る=MSCI最高率で外資注目

ニッケイ新聞 2009年4月21日付け

 エスタード紙金融市場調査部は十九日、〇九年に入ってからはブラジルが有望な投資先の一つと見なされ、外国人投資家が金融市場へ戻りつつあると報じた。レアル通貨のドル通貨に対する価値上昇率は、世界で第三番目にランクされている。
 金融市場は実体経済が本物ならば、数カ月前に兆候を見せるといわれる。長い間暗いニュースばかり続いたので、市場は久しぶりに明るさを取り戻している。
 国際金融市場における各国市場の牽引力比較を示すモルガン・スタンレイ指標MSCIは十五日、ブラジルが二七・四一%。続いてロシアが二五・七〇%、チリが二一・二三%として、ブラジルを有望視した。
 同日為替市場でのドル通貨に対する上昇率は、チリのペソ通貨一〇・六六%を筆頭に、アフリカのランド通貨が六・七四%、レアル通貨が六・三二%であった。十七日にドル通貨は、二・一九一レアルにつけた。
 レアル通貨の上昇は中央銀行がドル介入を行っての価格で、闇雲な振幅ではないと関係者がいう。三月には、中銀通貨委員会が三十五億ドルのスワップ取引(債券や債務の交換取引)を行なった。これらの介入がなければ、レアルはランクのトップにあった筈。
 国際的な金融危機の中にあってサンパウロ市証券取引所は、世界で最も活発に取引された市場の一つだ。同証券所が明るい兆候を見せたのは、オバマ大統領の銀行救済発表とG20サミットの五十兆ドル捻出発表のとき。
 投資家が金融危機の爆撃を避けて避難していた防空壕から這い出し、投資活動に動き始めたといえそうだ。そこでブラジルが見直された理由は、いくつかある。
 安定した経済と為替変動性、GDPに対する債務率がよく管理されていること、政策金利の引き下げに余裕があることなどが、他の国々より優秀とみられ、注目を集めたようだ。