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東西南北

ニッケイ新聞 2009年4月21日付け

 米国で、ブラジル籍で四八歳の武道の教師に一〇九年の刑が言い渡された。八〇年代に渡米後、看護婦である妻の留守中に娘との性交を重ね、三人の子供を産ませたもの。現在二九歳の娘が恋人に刺されたと救急通報があったのが〇五年のことで、捜査段階で、暴行者は父親自身で娘の子供の父親でもあったと判明した。娘の証言によれば、六歳の時に性交を強要され、八歳の時には酒と大麻も覚えさせられたという。他言を禁じられ、暴行も受けながらの軟禁生活は二〇年近く、彼女の弟も繰り返し暴行を受けていた。オーストリアでは二四年間娘を監禁していた事件が発覚し世界を驚かせたが、強姦と傷害の罪で生涯刑務所暮らしとなる父に対し、娘は自業自得と断言。裁判でも精神的な病気だったと言い逃れをする被告の姿に、自戒の念は微塵もない。
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 高速道路開通といえば生活の質も向上と考えるのはちと早い。ミナス州との境にある、人口六八八三人のサンパウロ州ヴァルジェンのように、町の中を横断する高速道路に料金所が出来、買い物や通勤、通学の度に通行料徴収となれば、町を逃げ出したくなるのも当然。近い将来市民はこの町を去ると言う住民や通行料で収入の二割以上が飛んでいくと嘆く住民もいるが、同様の問題があったピンダモニャンガーバやボイツーヴァでは通行料免除となっているのに、町の住民への通行料免除の兆しはなし。住民の声は行政の場には届かない…。
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 ファヴェーラでの電気やインターネットの無料利用は当たり前のように行われているが、リオ市サンタマルタでは、警官駐在による安全確保と引き換えに、電気代徴収を開始。地域住民にとっては、安くて危険と、高くて安全のどちらが幸い?