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Cide増税で減収補填か=原油安を機に調整=政府が検討に入る=ペトロブラスは収益減に

ニッケイ新聞 2009年4月23日付け

 財務省は二十一日、原油の国際相場が〇八年にはバレル当たり百五十ドルまで上がったのが、現在五十ドルに値下がりしているのを機に、税収減を燃料への税金で補填することを検討中であると二十二日付けフォーリャ紙が報じた。補填原案はペトロブラスの収益を減らし、Cide(燃料などによる納付金)を増額するもの。政府は危機救済策の減税や地方自治体への還付金増率などで、二十五億レアルの税収減が見込まれており、それを補填する案だ。ただし、ガソリンの消費者価格は据え置き、ディーゼル油は値下げするので消費者の懐には響かないという。 

 ガソリンの末端価格は当分据え置き、Cideを増額するというのが政府の考え。〇八年に行った燃料の価格調整とは、反対のことを行う。ペトロブラスやバイア州政府、また多くの政治家が反対なので、決定までに少し時間を要する。
 現在の原油相場は不安定であることが、政府案の問題点といえそうだ。金融危機によって下落した原油価格をベースにペトロブラスの収益を減らす政府案に、同社は抵抗している。
 ペトロブラスはより少ない運転資金で経営が可能であり、政府財政へ百五十億レアルを供給できると財務省は見ている。一方、バイア州など産油州は、原油の暴落で州財政がひっ迫している。
 今回は、昨年行った燃料の価格調整を仕切り直すもの。ディーゼル油は、精製所からCideをリットル当たり〇・〇七レアル徴収し、精製所と配給業者の受け取り分を大きく減らす。
 Cideは二〇〇一年、道路保全のために創設された税金で、ガソリンはリットル当たり〇・一八レアル、ディーゼル油は〇・〇三レアルを課した。税収は〇七年、八十五億八千五百万レアルを徴収。それが〇八年は六十一億レアルに減った。税収は七五%を連邦政府へ、二五%を地方自治体へ還付する。
 Cideは道路保全のために創設されたはずの税金であるが、実際は他目的に流用された。今回増税の意図も、道路保全なのか定かでない。
 ディーゼル油のCideは〇・〇七レアルに増額するが、消費者価格は下げる政府の方針のようだ。そうなると短期的にインフレを抑制し、卸市場を和らげる。長期的には、通勤バスの乗車料金にも影響を及ぼす。